スピルリナとは何か

スピルリナ(Spirulina)は、約30億年前に地球に誕生した最古の植物とも言われる藍藻の一種で、藍藻類(シアノバクテリア)に属する微細な藻類です。主に熱帯・亜熱帯地域の湖ら池、土壌など高温で強アルカリ性の環境を好んで生息しています。

らせん状の形をしており、非常に生命力が強く、動植物両方の特徴を併せ持つと言われています。良質なタンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維など50種類以上の栄養素をバランス良く含み、「スーパーフード」としても注目されています。

古代からあるスーパーフード

古代アステカ文明やアフリカのチャド湖周辺の民族が食用として利用していた歴史があります。アステカの人々は、湖からスピルリナを採集し、トルティーヤに塗って食べたり、乾燥させて保存食にしたりしていました。

アルカリ性食品

スピルリナはアルカリ性の食品です。アルカリ度18と高く、野菜などと同じように分類されます。

スピルリナは、加工食品や高脂肪食品を多く摂りがちな現代人の食生活において、アルカリ性食品を補うことで体のphバランスを整えることに役立つとされています。つまり、病気の温床となり得る酸性体質をアルカリ性に整えることができます。

デトックス(洗浄)

スピルリナに含まれるクロロフィルやフィコシアニンという成分は、体内の重金属(例:鉛、水銀、カドミウム)や毒素を吸着し、排出を助ける可能性があるとされています。クロロフィルは特に、腸内で毒素と結合し、便として体外に排出する役割が期待されています。

WHOやユニセフで利用

スピルリナは、WHO(世界保健機関)やユニセフ(国際連合児童基金)が、その栄養価の高さから「21世紀の優秀なタンパク質資源」や「最も理想的で最も完璧な食品」として評価しています。特に、慢性的な栄養不良に苦しむ地域での子供たちの栄養改善に役立つ可能性が注目されています。

※アライアンス・フォーラム財団は、公益資本主義を提唱する原丈人氏が代表を務める一般財団法人です。

宇宙食として

栄養価とタンパク質含量の多さから、宇宙開発においても食用藻類スピルリナの有用性が注目されています。米国航空宇宙局(NASA)や欧州宇宙機関(ESA)では研究が進んでいます。

また日本でも、宇宙航空研究開発機構(JAXA)とバイオベンチャーがタッグを組み、スピルリナの宇宙に向けた研究が進んでいます。

人類の生存圏・活動領域の拡大に向けて、宇宙ステーションや月・火星で生活するための宇宙開発が世界各国で進んでいます。人類が生活を営む上で食料供給は欠かせませんが、食料を全て地球から運ぶことは極めて非現実的な為、旅の途中、さらには現地でも食料を生産することは必須となると考えられ、非常に栄養価が高く、省資源・省スペースでの生産性が高いスピルリナが採用されました。

豊富な栄養成分

・タンパク質:50~70%と高含量で、必須アミノ酸をバランスよく含む。
・ビタミン:ビタミンB群(特にB12)、ビタミンA(βカロテン)、ビタミンEなど。
・ミネラル:鉄、マグネシウム、カルシウム、カリウムなど。
・抗酸化物質:フィコシアニン、クロロフィルなど、免疫力向上や抗酸化作用が期待される。
・その他:オメガ3やγ-リノレン酸などの脂肪酸も含む。

知られている健康効果!?

・免疫力の向上
・貧血予防(鉄分やビタミンB12が豊富)
・抗酸化作用による老化防止
・腸内環境の改善(食物繊維やクロロフィルによる)
・エネルギー増強や疲労回復

その他、さまざまな健康効果の研究がなされれている最中です。

おまけ

わかりやすく動画でまとめられています。