すさまじい高熱に襲われて ワクチン接種による心臓の異常を紹介した【前編】『「心臓が溶ける!」「ゼリーのような血栓」……医師たちが聞いたワクチン死した壮絶遺体の声』の続きである。 広島大学大学院医系科学研究科の長尾正崇教授は、ワクチン接種後に死亡し、解剖を依頼された4人の症例をいち早く論文にまとめた。いずれも高熱を発して亡くなっており、死因を調べるため血液の一部を解析するとサイトカインストーム、すなわち「免疫暴走」による死亡の可能性が考えられたという。 《2回目のワクチン接種を受けてから1~10日後に死亡した4例の解剖を経験。死亡時の体温は異常に高かったと推定された》《解熱剤を使用しても、接種後に40度を超える異常な高熱が出た場合は十分な観察と注意が必要》(長尾氏の論文より) 前号で証言を寄せた埼玉県在住の東正秋さん(73歳)の息子・良行さん(当時39歳・仮名)も、2回目のワクチン接種後に高熱を発し亡くなった。自宅の机の上に置かれていた体温計は41・5度を示し、亡くなる直前にすさまじい高熱に襲われていたと考えられる。 おびただしい量の血栓や異常な高熱、筋肉や内臓の損傷―ここまで紹介したのは、接種直後にこうした激しい症状を呈して亡くなった人々の事例だ。一方で、数ヵ月間にわたって後遺症に苦しみ、亡くなった人もいる。 栃木県に住む田所陽子さん(52歳・仮名)の父・忠さん(当時76歳・仮名)は、'20年7月下旬に2回目のワクチンを接種。その2週間後、「ギラン・バレー症候群」の症状が現れた。 ギラン・バレー症候群とは、筋肉を動かす末梢神経に障害が起こる難病だ。手足が動かなくなり、重症化すると呼吸困難で死に至ることもある。 「最初は『手足がしびれて力が入らない』と訴えていました。でも父の症状は日に日に悪化していき、やがて立ち上がったり歩くのも困難になり、ついには一人でトイレにも行けなくなってしまいました」(陽子さん) 検査を受けても、原因は不明。いくつも病院をたらい回しにされ、大病院にかかってようやく「ギラン・バレー症候群の疑いがある」と診断された。その医師は陽子さんにこう告げたという。 「うちのような大きな病院でも10~15年に1人診るか診ないかという珍しい病気です。ワクチンが原因である可能性は、否定できません」 ギラン・バレー症候群は通常、すぐに死に至るほど進行の早い病気ではない。しかしワクチン接種から1ヵ月後、忠さんはスマホを操作することもできなくなった。やがて食べ物を飲み込めなくなり、さらに1ヵ月後の10月2日、帰らぬ人となった。直接の死因は誤嚥性肺炎だった。急激に老衰が進んで死亡 日本国民のワクチン接種率は全体で見ると、4回目、5回目と回を追うごとに低下している。それはワクチンのメリットとデメリットを勘案して、自己判断を下す人が増えているからかもしれない。 しかし、高齢になるほど接種率は高くなる。高齢者施設の入所者ともなれば、施設の手引きで繰り返し接種を受けている人が大半だ。その中には、免疫力や体力が落ちたのか、肺炎で亡くなる人が相次いでいるとの証言もある。高齢者施設で働く看護師の安藤涼子さん(40代・仮名)が明かす。 「入所していた80代の男性が、ワクチン2回目の接種後に『呼吸ができない』と助けを求めてきたんです。慌てて血中酸素飽和度を測ると、94%前後でした。これはコロナ患者の中等症1と同等の数値です。その男性は2週間弱入院しましたが、結局、間質性肺炎で亡くなりました」 接種後1~2ヵ月間で急激に進行する「老衰」や「突然死」など高齢者の死亡例も増えているという。前出の長尾氏のクリニックの患者のなかにも、接種後に急速に衰弱して亡くなった人がいた。 「100歳近い方でしたが、そこそこ元気に暮らしていました。それなのに、ワクチン接種翌日から体調が悪化し、ほとんど食事がとれなくなってしまいました。急激に衰弱が進み、接種して3ヵ月後に亡くなりました。通常の老衰の経過とはまったく違い、明らかにワクチン接種が契機になった老衰死でした」 医療者たちの証言が示すのは、ワクチンの「副反応疑い死」として報告されている人以外に、必ずしも明確な症状や急変が伴わない死亡者も大勢いるということだ。 ワクチン問題に関心をもつ「全国有志医師の会」で代表を務める、ほんべつ循環器内科クリニックの藤沢明徳理事長も言う。 「私たちは定期的に副反応疑いの症例について情報交換をしていますが、特に高齢の患者さんで『前の晩まで元気だったのに、朝起きてこず、見に行くと亡くなっていた』とか『微熱が出たと思ったら、その日のうちに亡くなった』といった報告が増えてきています。 一方、現役世代で心配なのは、急に命を落とすわけではなくとも、強い倦怠感や原因不明の体調不良に悩まされる人が出ているということ。これは仮説ですが、細胞内でエネルギーの生成を担っているミトコンドリアの働きに、ワクチンが何らかの影響を及ぼしている可能性があります。全身の細胞の『エネルギー生産工場』が機能不全になっているとすれば、倦怠感に襲われることにも説明がつきます」 統計によれば、コロナワクチンの後遺症に見舞われるのは約800人に1人。その数が少ないことをもって「副反応や後遺症のリスクは小さい」「気のせいではないか」という見方が現在の医療界では一般的だ。それは他ならぬ彼ら自身が、これまで率先してワクチン接種を受けてきたこととも無関係ではないだろう。「我々がコロナで倒れ、医療崩壊を招いてはならない」という、使命感の表れともいえる。 しかし中には、ワクチンに対して疑問を抱きながらも、その使命感から接種を受け、取り返しのつかない悲劇に襲われた事例もあるのだ。「怖い」と言い遺した看護師 たとえば本誌が'21年5月に報じた、福岡県の看護師・太田彩さん(享年26・仮名)。同年3月に初回接種を受けた太田さんは、4日後に亡くなった。両親がアパートの部屋に入ると、口から血を流して倒れていたという。父親は、彼女の葛藤をこう証言している。 「ワクチン接種後に血栓ができて死亡した方がいたというニュースを見て、娘は『怖い』『打ちたくない』と話していました。しかし看護師という職業上、接種しないという選択肢はなかったようです」 今も不安を押し殺しながら、繰り返し接種を受けている医療者は少なくない。前出の看護師・安藤さんもこう言う。 「私自身、上司の師長から『患者さんにうつしたら責任をとれるのか』『私たちが怖がっていては、患者さんに顔向けできない』などと言われ、不安を抱きつつ接種を受けています。接種後に熱が出て休むことすら、言い出しづらい空気が現場にはあるのです」 2年前、当時の菅義偉首相は治験のプロセスを省略し、半ば強制的に全国民へのワクチン接種を進めた。病床が逼迫し、医療崩壊が目前に迫っていた当時、潜在的な危険性は無視された。 だが今では、相次ぐ過酷な副反応の実例を目の当たりにし、声を上げる医師も増えている。 「コロナワクチンの副反応疑い死の割合は、人口当たりでインフルエンザワクチンの100倍を超えています。にもかかわらず、国は『見切り発車』で始めた接種をいつまで続けるつもりなのか。これほどのリスクが明らかになったのですから、ここでいったんストップし、安全性を見直して、必要ならば改良を加えてから接種するのが、真に科学的な態度ではないでしょうか」(前出・藤沢氏) やむを得ない「緊急措置」として始めたワクチンの大規模接種を、きちんとした検証もないままにずっと続けるべきなのか。なし崩しの状況を脱し、一度立ち止まって状況を確認することも必要なはずだ。 「週刊現代」2023年2月4日号より