コロナ、今春にも「5類」移行 岸田首相が指示

2023年01月20日 13:22
カテゴリ: 日記

公費負担を段階縮小、「平時の日本取り戻す 日本経済新聞 2023年1月20日

岸田文雄首相は20日、新型コロナウイルスの感染症法上の扱いを巡り季節性インフルエンザと同じ「5類」へ今春に移すよう指示した。首相官邸で加藤勝信厚生労働相や後藤茂之経済財政・再生相と協議し伝えた。

首相は協議後、官邸で記者団に「原則として春に5類とする方向で専門家に議論してもらいたいと確認した」と述べた。医療費の公費負担などに関し「平時の日本を取り戻していくために様々な政策措置を段階的に移行する」と話した。

変更後は緊急事態宣言などの措置がなくなり、感染者や濃厚接触者の待機は不要になる。推奨してきた屋内でのマスク着用も原則不要とする方針だ。首相は「一般的なマスク着用の考え方など感染対策のあり方も見直していく」と言明した。

ワクチン接種を巡っては「類型の見直しにかかわらず予防接種法に基づいて実施する」と語った。足元の感染状況に触れ「感染対策や医療体制の確保に努める。第8波を乗り越えるべく全力で取り組む」と強調した。

首相の指示を受けて厚労省が月内にも厚労相の諮問機関である厚生科学審議会に5類への見直しを諮る。政府内には移行時期を4~5月にする案がある。

直近で新型コロナの新規感染者数は減少傾向にある。それでも感染力は依然強いとされ、死者数は過去最多の水準が続く。政府は感染状況や医療の提供体制も見極めながら最終判断する。

感染症法は新型コロナを「新型インフルエンザ等感染症」に分類しており、重症急性呼吸器症候群(SARS)や結核と同様の2類以上に相当する。

現状では新型インフルエンザ等対策特別措置法の対象だ。特措法は飲食店の営業や個人の移動を制限する緊急事態宣言の発令、まん延防止等重点措置の適用の根拠になっている。

感染症法に基づきいまは感染者らに入院を勧告したり外出自粛を要請したりすることもできる。感染者に原則7日間、濃厚接触者には原則5日間の待機を求めてきた。

5類は風疹やはしかと同じ扱いだ。移行した後は感染が拡大しても緊急事態宣言などは出せない。入院勧告や外出自粛、待機といった行動制限も課さない。

医療も通常に近い体制に戻る。診察を受けられる場所は特別な感染防止策を講じる発熱外来に限らず、一般の診療所や病院でも可能になる。

政府は治療や入院にかかる医療費などの公費負担、患者を受け入れた医療機関への診療報酬の加算は段階的に減らしていく。感染者数を把握する方法はさらに簡素に変えることをめざす。

屋内でのマスク着用は発熱などの症状や基礎疾患のある人らを除いて原則不要とする見通しだ。満員電車など感染リスクが特に高い場所での扱いは検討する。

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